先月のことですが、毎月訪問しているコンサルティング先の企業において、管理職の方が部下全員の前で、1人の部下に大変厳しく注意していたのを目にしました。

厳しく注意すればいいのか?

そこの部署は営業部門で、先日伺った際、それまで順調に業績を伸ばしていた例の部下が、先月の叱責をきっかけに営業成績がガタ落ちして、部門全体の足を引っ張るまでになったとのことです。

少しルールを逸脱しただけ・・

このことに落胆した叱責した管理職の方に詳しく話を聞いたところ、部門の方針には少々ずれてしまうような、特別な対応をお客様にしてしまったとのことでした。

その対応は確かにその部門のガイドラインからは外れるものでしたが、その部下の強みや本人の特性、その人らしさといったところを発揮した形で対応したものだったため、特に大きなトラブルにはならずに済んでいました。むしろ、長期的に見るとお客様との間で強固な信頼関係が出来る可能性もあったものだったのではないか、と私からは見えました。

叱り方を心得ないと部下の可能性を潰す

ただ、その管理職は会社のルールに則って、厳しく注意してしまったとのことでした。
その気持ちも痛いほどわかるのですが、結果として、部下はこれまでの自分の強みを活かしたやり方が出来ず、どうしたらいいか悩み、お客様との対応にもギクシャクするようになって営業成績がみるみる落ちていったということです。

パフォーマンスを上げる部下の叱り方

では、その管理職はとどうすれば良かったのでしょうか?
ポイントは以下の2つだと思います。

・部下の言い分を良く聞く
・広い視点で見る

部下の言い分を聞く

今回のケースを考えると、たとえ部下がルールに反した対応をしたからと言って、頭ごなしに怒るのは得策ではありませんでした。
なぜなら、部下には部下の考えが必ずあるからです。よって、まず対応するべきは、部下の考えを良く聞く、ということです。

質問で部下の考えを引き出す

「〇〇をしてはダメだ!」と言う代わりに、「何故、〇〇したのか?」と質問によって部下の考えを引き出す関わりを試してみましょう。

もしかすると、「部下には何度も同じことを言ってるのに全く直らないから、もう直に叱るしかないんだ!」と怒り心頭の上司もいらっしゃるかと思います。
しかし、部下はただ本音を話せていないのかもしれません。本音を聞きだす関わり、話やすい雰囲気を作らなければ、部下の口からは表面的な話しか出てきません。一緒に課題を解決していく、というスタンスが大事を持つよう心がけることをおすすめします。

広い視点で見る

部下の対応の本質的な理由が分かったら、その対応によって、発生するリスクを考えましょう。

そのリスクが、上司である自分が最終的に対応することで何とかなる、リスクの発生確率が低い、ということでしたら、部下の案を採用しても大きな問題にはならないということになります。

また、部下が必死になって考え抜いたものなら、長期的に見ると、良い対応だったということもよくある話です。
今の事象や目の前のことだけにとらわれるのではなく、広い視点で問題を見るようにすると、良い結果が生まれてくるのではないでしょうか。