「女性活躍推進で、女性社員に管理職研修や意識醸成のイベントをしたけど、あまり効果がない気がする」
「『なぜ、女性だけ集めるの?』というクレームが来て、説明に難しさを感じている」

このような悩みや課題感を、人事担当の方であれば一度は感じたことがあるのではないでしょうか。

研修やイベントの効果を業務に100%活かす?

女性社員育成に限らず、研修やイベントを通して付与した知識やノウハウを業務に100パーセント活かして、成果を最大化してもらう、というのが、人事担当としてのゴールではないかと思います。しかし、これが達成できている会社は、ほとんどない、というのが実態ではないでしょうか?

社員一人ひとりに目を向けて

これまでの人事経験、人材育成コンサルティングを通して大小様々な規模の企業サポートを行ってきましたが、研修やイベントがその後の成果につなげることに苦心している企業の共通した原因は、

「個別のサポートがない」

これが根本的な原因であると考えています。

個々に抱える事情への配慮

知識やノウハウをインプットしたとしても、実際にはそれを実践しないことには、定着化につながらず、業務に活かして いくことも難しいものです。この実践がなかなか出来ていない人が大半ではないかと感じる一方で、その原因は、女性社員1人ひとりの状況や事情に合わせた、実践のための個別サポートを必要としているのに、そのサポートが提供されていない、もしくはうまく機能していないからではないか、と私は強く思うのです。

個別サポートの成功事例

特に女性は、プライベートも含めて、その環境や状況が多様化しています。その背景を鑑みて、それぞれの事情や思いを個別にヒアリングし、一人ひとりに合わせた実践サポートを行うことがカギとなります。

感情に流されやすかった女性管理職

Eさんは大手IT企業の女性管理職で、部下が3人、直属の上司が1名います。

Eさんはこれまで会社からマネジメントに関する研修を複数受けてきたものの、そのスキルや知識を活かせずにいました。というのも、感情に流されやすい性格のため、部下の信頼を得ることができず、また直属の上司はEさんを飛び越えて直接部下に対して指示を出す有様で、Eさんはモヤモヤとした気持ちを抱えながら仕事をしていたのでした。

そんな折、Eさんがしなやかリーダー塾にいらっしゃって個別相談を重ねるごとに、私はEさんの「感情によって対応法を変えてしまう」という傾向に気づきました。Eさんにとって相性がいい部下に対しては、存分にサポートの手助けをするのですが、苦手な部下に対しては、遠慮がちになったり、問題が起こるギリギリまで見守ってしまうという行動を取ってしまっていたのです。

入塾して1ヶ月後、Eさんに転機が訪れます。社内のとある新規システム開発プロジェクトが立ち上がり、人材募集が始まったのです。仕事でモヤモヤしていたEさんは、自ら環境を変えようと応募することにしました。

応募するにあたって、直属の上司にその旨を報告したのですが、「それは許可できない。それよりも、管理職としての役割を果たすことが先じゃないかと思っている。なぜその人材募集に立候補したのか、まず理由を教えて欲しい」と言われてしまったのです。

Eさんは「上司がNGと言ったから、諦めるしかない」と引き下がろうとしていたのですが、私はこの相談を受けて「信頼を取り戻すチャンスです!ここで諦めたら、『やっぱりEさんはダメだ』と思われてしまうと思いませんか?せっかく立候補の理由を聞いてくれると上司は言っているのですから、ひとつずつ、クリアしていきませんか」と背中を押したのです。

まずは、Eさんが自分の考えを伝える前に、上司からどんな風に自分が映っているのかを客観的に自分を見つめ直し、受け止めること、そして相手が納得して応援してもらうための伝え方・話し方について、女性の特性とEさんの癖を踏まえてレクチャーしました。

そのレクチャーを踏まえて、Eさんは上司と対話を重ねるたびに自らの課題に向き合い、それを個別相談でクリアにして、また対策を立て直す・・これを繰り返しました。その中で、部下に対して「好き嫌い」で関わり方を変えてしまう自身の癖を認め、Eさんが自発的に改善努力を始めたのです。部下面談に向けた事前相談が増え、どのように面談を進めれば良いかをセリフベースでサポートするなど、細やかな支援が続きました。

その結果、見事に上司から応援される形で人材募集への立候補を認められ、上司からの信頼はもちろん、部下がEさんへ直接相談するようになるなどの変化がもたらされたのです。Eさんは、「会社が女性管理職の自分に求めている役割を理解し、管理職という存在の大切さとやりがいを実感しています。今は女性管理職という仕事が楽しい」と自らの経験を振り返りながら笑顔で話をしてくれました。

細かい指導がなくても、社員が勝手に成長して行く!

いかがでしたでしょうか?
スキルや知識の習得だけでは不十分だと私が考えるのは、個人の状況や感情も含めた上での現場フォローがないと、せっかく研修を受けさせたとしても、それを活かすことにつながりづらいからです。

個別サポートは最初はじっくり時間をかけて行う必要があるかもしれませんが、社員が自ら成長をし始めてしまえばあとは時々相談に乗る程度の見守りで、社員が勝手に成長を遂げて成果につながっていくことを目の当たりにすると確信しています。これぞ、究極の人材育成だと思いませんか。ぜひ、自社の個別サポート体制について、今一度考えるきっかけになれば幸いです。

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