研修を受ける際、受け身になって当事者意識がないような受講生を見かけます。
企業研修の場合、上司から受講を薦められて断れなかったから、会社が強制的に研修を受けさせるから、などといった理由で、どうしても前向きに取り組む姿勢が見えづらい受講生がいることも確かです。

しかし、基本的に受け身でいると、必要な情報を自分から取ろうという姿勢が生まれづらくなるという懸念があります。
研修の時点でこういった受講姿勢が見られた場合は、研修後に人事部への要注意対象者として報告することもしばしばです。

受け身でいることの弊害

仕事において、自立型人材を求める声が強い昨今、受け身の姿勢でいることは即ち「指示待ち」であると同様であると判断されてしまう可能性が高くなります。上司にとっても、指示をして対応してくれるのであればまだしも、指示に対して対応する意思を確認したにも関わらず、うまく仕事を進められずにいる部下から

「分かりにくいからできませんでした」
「どうすればいいか詳細教えてください」

等々、まるで指示をした上司の責任であるかのように振る舞う場合もあるのです。

もちろん、指示は分かりやすく、相手が受け止めやすいように伝えることは大前提ですが、受け止める側も自ら指示を理解しようとする姿勢はあって然るべきではないかと私は考えています。

また、たとえ相手が間違った指示を出したとしても、正面からクレームを言うような言い方は適切ではないと思っています。なぜなら、そのように対応した人自身が

「この人はキレやすい」
「コミュニケーションが取りづらい人だからあまり関わらないようにしよう」

などと、結果として損をする立場へ自分を追い込んでしまいかねないからです。

これが取引先のお客様対応だったら・・・想像したくない光景です。

当事者意識を醸成する

人のせいにするのは簡単です。その前に、

「もしかすると、相手と自分との間で誤解が生じているかもしれない」
「自分に落ち度はなかっただろうか」
「自分ができていなかったのが原因ではないか」

と、振り返ることが大切だと私は考えています。どんな立場の人でも当てはまることではないかと思いますし、人事担当者であれば、そういった当事者意識を醸成するような施策を取り入れるなどして、

「言われたからやります」
「言われていないのでやりません、できませんでした」

というような当事者意識のない社員ではなく、自律した人材を育成していくことを視野にいれることも必要かもしれません。

仕事の基本は、人と人との関わり

社員も含めて、協力会社など、様々な立場で仕事をしますが、結局は人と人とのやりとりです。人事担当者であれば、人に関することはナーバスに捉えられたり、慎重にならざるを得ず、施策立案にも悩む場面がほとんどかもしれません。

とはいえ、時間とお金かけて研修を実施しても、受講側の姿勢次第で、その効果が半減したり、はたまた逆効果にもなるかもしれないのです。研修の場だけで、直接影響はないと感じるかもしれませんが、受け身であることが後々になって、じわりじわりと影響が出てくると思えてなりません。そう言った意味でも、人事担当者が関わることで当事者意識を醸成する取り組みは、非常に重要であると私は思います。