企業の成長には、そこで働く人の成長が欠かせない、と常々思っているのですが、ここ数ヶ月の人材育成コンサルティングサポートを通して、ますますその意味の重要性を感じている今日この頃です。

会社が抱える課題の行き着く先は・・

中小企業診断士となってから10数年が経って関わらせていただいた企業様の規模は様々ではありますが、各社が抱えている課題を分析すると、最終的に

人の問題

にたどり着くことが99.9%、と言っても過言ではありません。

現に、当初は業務改善システム導入のサポートとして入らせていただいたコンサル先も、

「これまでも様々なシステムを入れてみたが、社員から使いづらいと文句を言われて思うように業務効率化できない」

といった状況が2年以上続いていたのですが、蓋を開けてみたら

  • 現場の意見を聞かずにシステムを導入するから困る
  • 気づいたら新しい機器が導入されていて戸惑っている
  • 組織体制の変更、人事評価の導入・・これまで通りでいい(よくわからない)

このような現場の不満・不安が吹き荒れていました。

確かに、この状況は経営者から見たとすると「社員(人)が問題だ」と思ってしまうことも仕方ないかもしれません。

人の育成にコミットしているか?

私も「人」にフォーカスして考えるという面については大いに賛成です。

もう一歩突っ込んで言うのであれば、「人の育成」という最重要課題がそこにある、と考えています。

前述の事例で考えると、現場は経営者がなぜ業務改善システムを導入したり人事制度改革を進めようとしているか、その理由が腹落ちしていない状態だと考えられます。

経営者として細かくその理由や背景を伝えているつもりかもしれませんが、実際に仕事をしている社員たちの立場に立った上でその必要性、意義をわかりやすく伝えなければ反発されてしまうのは正直避けづらいと思います。

だからこそ私は、経営層や人事の立場にいる方々が、人の育成についていかにコミットしているかによって、人事施策に対する現場の受け止め方、反応の仕方、さらにその先にある効果や成果は違ってくるものだと考えているのです。

研修スタイルで業務改善を行うメリット

現在、社員教育と同時に業務改善プロジェクトを走らせている中小企業があり、社員の皆様の成長に経営者の方も大変満足いただけているのですが、

【研修スタイル×業務改善】

というこのスタイルは非常に効率的で成果が現れやすい取り組みだなと実感しています。実際に社員教育を受けている現場の方からは、

「業務改善した方がいいとは思っていたが、じゃあ自分の枠を超えて周囲の人たちと変えていこう、とは思わなかった」

「通常業務では業務改善の話し合いはしない。研修を通して、普段みんなが考えていることを知って刺激を受けて、自分も何かできないかという気持ちになった」

「研修で具体的な業務改善方法を教えてもらうことでできそうだな、やってみようかな、と思えて実際にやって効果があると嬉しい」

このようなコメントが寄せられています。

トップダウンの業務改善命令や新システム導入は形の上では進行するかもしれませんが、果たして現場運用まで浸透し、即座に成果となるかといったら、私の経験則上は厳しい、と言わざるを得ません。

うまくいかない理由を突き詰めると、やはりそこで働く人の問題に行き着くからです。

一見、時間がかかるように思えるかもしれませんが、社員にスキルや知識を与え、実践を通して成功体験を積み、自ら業務改善等に取り組む意義を見出す、
という「人の育成」なしには、真の会社成長には繋がりづらいのではないかと思うのです。

育成には【意識改革】が含まれている

女性活躍推進を行う場合も、制度改革はもちろん必要ですが、女性社員の育成も並行して進める必要があると考えます。

特に、男性が多い職場環境下で働く女性や、中小企業で働く女性たちは、一般職、事務職といった仕事に配属されていたり、そもそも女性が管理職になるような道が開かれていない環境下であることが多くあります。

その状況で突然、
「今日からあなたたちが働きやすいように制度導入しました」
「女性管理職を目指してみませんか」

と言われても戸惑ったり、ついていけないと感じるのも仕方のないことかもしれません。

だから、なぜ会社が女性活躍推進を行うのかという丁寧な説明と、知識やスキルを得る機会が少なかった(その必要がなかった)女性社員への育成が必要不可欠だと私は考えています。

さらに女性社員たちを取り囲む同僚や管理職者層の育成も欠かせません。

育成には、“意識改革”が含まれているからです。

育成を通して、全社員的な意識改革がもたらされることで社員の自主性が養われていきます。

育成と実践をセットで進めれば、具体的な行動の取り方、成功体験が積み重なって、自ら行動を起こし変化する意義も醸成されるので、

「テレワークを導入したのに、誰も利用しない」

といった、ハード面の形骸化を避けることができ、結果として成果につながっていくのです。

育成を基軸にして全課題を解決

私が提案している育成の流れは以下の通りです。

社員の意識改革

必要なスキルの付与

実践による成功体験

成果と定着化の両面を達成成果と定着化の両面を達成

この流れに沿ったプログラムを6ヶ月〜1年ほど実行することで、職場の様々な課題を社員全員が結束して片っ端から解決に向かっていく、すなわち、

「社員が勝手に育つ」

というベースを築くことにつながると、これまで研修プロジェクトで関わらせていただいた各企業様を通して確信しています。

「人事施策が現場へ思うように浸透しない」

という際には、“育成”という視点について今一度振り返って考えていただければと思います。

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