女性活躍推進研修の打ち合わせの場面で、人事担当者の考え方に捉えどころがなく、研修を受講する社員の皆さんがお気の毒だな・・と思ってしまいました。

私が残念に感じたことを一言でまとめると、「人事の仕事ときちんと向き合って欲しい」ということでした。

自分の目と耳で現場を把握する

打ち合わせがスタートしたと同時に様々なデータが次から次へと流れてきました。
管理職の男女比率、現場アンケート実施データ、前回の研修後のアンケート結果のまとめとクレームの詳細・・・
データは大事ですが、鵜呑みにはしない、という方針を私は持っています。

なぜなら、研修後のアンケートは実施後の一瞬であり本音が出ているとは言い切れないからです。

人材育成には時間がかかります。3年後に「ああ、あの研修の意味が今なら分かる」と振り返って効果が出ることも多いものです。

だからこそ、人材育成担当者の方には、データを集めること以上に、現場に足を運び、実際に自分の目と耳で確かめて、体感しながら情報収集したものを、研修施策の判断材料として選んでいただきたいと考えています。

自分が退任後も続く施策を立てる

「部長の前では言えないので、別途打ち合わせに来てもらえませんか」

人事担当者の女性に言われたこの言葉にあっけにとられてしまいました。
私も迷った挙句、再び別日に打ち合わせの場へ向かいました。

私が女性担当者を残念に思った理由は、

「上司の方針に従わなければならないから内容を変えるのは仕方ないけれど、私の意見も聞いて欲しい、できればそのエッセンスを研修に入れて欲しい」

と、自分が本来社内で調整するべき仕事を社外の講師に寄せているということに気づいていない様子だったことです。

社長や上司が変わると方針そのものが変わるということはよくあることです。
だからと言って、これまでの方針を全て覆されては現場が混乱するのは目に見えています。

世の中の情勢は刻一刻と変化しますが、たとえ上司が変わっても、会社の強みはそうそう変わるものではないと思います。

たとえ自分がいなくなっても、この先ずっと社員の成長と会社の利益につながるような施策を考えて、その時々の上司の意向を踏まえながら自分の意見を少しずつでも取り入れていくことはできるはずだ、というのが私の考えです。

人事担当者は視野を広く

もう一つ、女性担当者の仕事の視点が低かったことが気になりました。

人事や共通部門にいる人は、担当者レベルでも会社全体動かさないといけないので、管理職クラスの意識を持って、全体感を持って仕事に取り組まねばならないと思います。

「私はずっと女性活躍推進をやって来たから女性対象で引き続きやりたいです。でも、新しい部長が、もう女性はいいからマネジメント力を底上げだって聞かなくて・・」

この話をしている様子から、私は

「この視点では、人事としての仕事が今後もやりづらいままだろうな」

と思いました。

もし、このくだりをお読みになって、自分のことかもしれない!と思った方がいらしたら、

【自分は何のために人事の仕事しているのか?】

と自分自身に問い直してもらえたらと思います。

自分のために人事の仕事をしているわけではありません。社員を育成を通して、会社の利益を上げて貢献するために人事の仕事はあると私は考えています。

そもそも、売上を生まない部署に社員を配属し給与を出していることを考えても、ただ上の方針にしたがって動くような人で良いとは思えません。
会社の未来を担っているんだ、という責務を少しでも感じることができれば、今すぐにでも考え方や行動が変化するのではないかと思います。