リーダーになりたての頃は、重箱の隅をつつくような部下指導をしていました。
部下ができなければ、自分が手を動かすしかないと思っていましたし、どうして自分と同じようにできないのか不思議に思っていたという、ダメな上司の典型だったと思います。

様々な失敗を通して、今では「器が大きいですね」と言われることが増えました。自分を振り返っても、人は変われるものだと心から思います。

人を信頼できるかどうか

以前の自分と比べてどこが変わったのか、と聞かれるのですが、「圧倒的に人を信頼できている」ということに尽きます。
ただ信頼するだけでは相手に伝わらない、絶対的な信頼感が私の一挙手一投足に現れて、それが伝わることで、部下の力を引き出し、チーム成果につながっていると考えています。

もし、これが表面的でテクニック的な信頼パフォーマンスだったとしたらどうでしょうか。

「信頼していますよ」
「ありがとうございます」
「あなたならできますよ」

アイコンタクトをとって、話を聞くときは、相槌を多めにして、・・・などと小手先のテクニックを使っても、本心からそう思っていなければ受け取る部下も表面的な印象しか持ちません。

綺麗事は言わず、覚悟を決めて、本気で相手を信じるということは、怖いことだと思います。

そもそも他人ですし、どういう行動をされるかわかりません。

その可能性については考えずに、大丈夫、必ずできると信じきることが必要なのです。
部下を信じ切れるかどうかが、リーダーとしての器かどうかにつながっていると考えます。

部下の発言で分かる“信頼度”

上司が部下を信じきれていないと、部下からこんな発言が出てくる傾向にあります。

「この仕事ってなんの意味があるんですか」
「休みの時に連絡してこないでください」
「給料あげてください」

いかがでしょうか?

もし、信頼しきっているのであれば、そもそもこのような発言はありません。
上司からの働きかけがなくても、

・自ら必要なことを勉強し、自ら成長する
・自発的に、アイディアを出したり、提案してくる

といった行動が見られるようになります。

上司からのアプローチがなければ仕事が動かないという状況は好ましくありません。
なぜなら、リーダーひとりが仕事をしているという状態と変わらないからです。

チームのメンバーひとりひとりが自然に、自律的に動いて仕事をする状態になるのが理想であり、それが会社への貢献となって、結果として会社の利益につながって行くものだと私は思います。

待遇を良くするより大切なこと

急成長した企業の社長とパネルディスカッションをした際に、その社長さんがこんなことを言っていました。

「待遇を上げることよりも、会社の想いと志を社員に伝えて、社員のやりたいこととマッチングさせることが重要です。実際に、それで我が社は離職がゼロになりました」

私は、その通りだなと深く共感しました。

会社の志と、社員のやりたいことをマッチングさせるためには、「社員はこの場所で必ずやりたいことが見つかる」と信じなければならないと思います。

上司部下の関係も同じではないでしょうか。

部下を心から信じることで、共に働く意義を見出し、それが部下にとってチーム所属意識の高まりにつながったその先に、大きな成果が導き出されるものだと私は考えています。